アイテム詳細
宝島社
グループ:Book
ランキング:7853
価格:¥ 756
発売日:2006-11-09
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カスタマーレビュー ![]()
不可抗力
(2008-09-08)
この本を読むまで少なからずワーキングプアに対して偏見を持っていました。
過去から遡って周辺を見渡してみるとワーキングプア=自業自得と言わざるを得ない人たちが多かったからです。
妻子がいるにも関わらず派遣社員に甘んじ、あまつさえ身の程知らずな言動をする男性派遣社員の存在を今でもよく憶えています。
それ以来、ワーキングプア=自業自得という偏見を持ってしまいました。
しかし、この本を読んで不可抗力でワーキングプアを余儀なくされた人たちの存在に気づきました。
就職氷河期で就職に失敗。
よかれと思った行動が上司の逆鱗に触れ職場を解雇。
平成大不況のあおりを受けて事業に失敗。再就職を試みるも年齢でことごとく跳ね返される。
バブル期に花形職で活躍。この先もずっと順風満帆と錯覚してしまった人。
バブル期の怖いところは”一寸先は闇”という発想を奪ってしまうところだ。
時代や社会情勢に翻弄されている感が否めない。
しかし、彼らはそれでも必死に生きている。
更に言うなら誰でもワーキングプアに陥る可能性がある。
あなたも私も。
この本を読み終えて思った事・・・
「勝って兜の緒を締めよ」
「一寸先は闇」
この気持ちが大切だと思った。
バブル期に翻弄された彼らはこの気持ちを奪われてしまっていた。
そして気がついた時にはワーキングプアを余儀なくされてしまった。
きっと彼らの無言の警告なのかも知れない。
「個人の努力」だけでは解決しない!
(2008-09-05)
全部で5章に分かれ、各章の終わりに「まとめ」と「ワーキングプア」の実例をあげているので、分かりやすく、説得力がある。
「中高年のリストラ」「就職氷河期の若者の非正社員化」がワーキングプア発生の2大要因なのだが、この実例を読むと中高年、若者とも「奇妙な一致点」がある。
日本の企業はバブル崩壊後社員を減らし続けてきたが、景気回復に入っても「新卒採用」が主体で、いわゆる「中途採用」が極めて少ない。
「正社員」の椅子を一度失うことは、一生「ワーキングプア」で終わる危険性が高い。定年まで面倒をみることを放棄したのに、「再チャレンジ」の機会を与えないのは片手落ちも甚だしい。
著者は解決策として「非正社員の正社員化」と「最低賃金の引き上げ」を提案している。これは考え方としては正しい。しかし、「法律を改正」しただけでは必ず「法の網をくぐり抜ける者」が出てくる。
今、政府に求められているのは、賃金の上昇に直結する公的な「スキルアップの場」の提供、過酷な労働環境を緩和するための行き過ぎた「規制緩和」の見直しである。
企業トップに求められているのは、「非正社員と正社員の賃金格差の縮小(非正社員の100%正社員化はあまりに非現実的!)」と人件費アップをカバーできるだけの「自社製品の付加価値の向上」である。
「産業のグローバル化」に踊らされた「人件費削減のみの利益確保策」は短期的には効果はあるが、長期的には「購買意欲の著しい減少=市場の縮小」を招き、自らの首を締めることを忘れてはならない。
ワーキングプアは進行中の深刻な問題!
(2008-09-03)
おおくのインタビューと豊富な統計によって,ミクロとマクロの両面からワーキングプアのすがたをとらえようとしている.従来からよくある統計だけでなく,欠員率完全失業率の統計から独自のグラフを書いて若年層ほど雇用のミスマッチつまり欠員はあるのに失業もおおいことをあきらかにしている.つまり,ワーキングプアの問題が「失われた 10 年」だけでない進行中の深刻な問題だということである.
ワーキングプアの現状と門倉氏の提言
(2008-08-24)
この本では、十人の証言をもとに、ワーキングプアといわれる人々の実態を明らかにする。
その主な人々は
(1)企業の人件費削除のため正社員として雇用されなかった若年層。
(2)企業の倒産やリストラで転職を余儀なくされた中高年層。
(3)正社員のうちでも働きすぎによる「心のワーキングプア」となった人々 等々だ。
門倉氏はこれに対し以下の提案している。
(1)非正社員から正社員への道を広く開放すること。
(2)消費税は逆進性が強く、ワーキングプアへの負担をさらに強めるため
支出税等他の税で代替すること。
(3)著しく低く設定されている最低賃金を引き上げていくこと。
以前の日本は、まじめに働きさえすれば贅沢はできなくとも、どうにかやっていける国だった。
昔のことを言っても始まらないが、今後、我々はどのようにこの国の制度を変えていかなけれ
ばならないのか。
私たちは現在の、そしておそらくは増えていくであろう将来の貧しい人々のために、真剣に
この問題と取り組むべき時が来ている。それは遅すぎるくらいであるのかもしれないが。
計数的分析とインタビューの良いバランス
(2008-07-24)
計数的にワーキングプアの実態を示しつつ、
具体的なインタビューを適度に交えてこの問題を
きちんと語ることに成功していると思う。
年収300万円時代というのも当時は新鮮だったが
いまとなっては、それすら牧歌的な印象を受けるほど
厳しい現実が描かれている。
